三省堂 新明解国語辞典 第八版
#考える辞書
スマホ時代における、紙の辞書の価値を再定義する
2020年、『新明解国語辞典』は9年ぶりの改訂になりました。今や、分からないことはすぐスマホで調べる時代。そんなインターネットが生活の一部になった現代における、紙の辞書の価値を問い直すコミュニケーションを企画しました。
BACKGROUND
令和のいま、紙の辞書を所有する理由が持ちにくい状況があります。一番の要因は、検索エンジンの存在。知りたいと思った情報は、すぐに調べられる時代です。さらに言うと、辞書という存在は、多くの人々にとっては、正直「どれも同じようなもの」。
そのような現代、如何にして、書物としての辞書「新明解国語辞典 第八版」を手に取る理由をつくるか。それが課題でした。
STRATEGY
三省堂は、140年の歴史を持ち「辞書は三省堂」を掲げる老舗出版社。新明解国語辞典は第八版に至るまで、「言葉の使用例を徹底して調べ尽くした上で、辞書を編む人たちが深い思索を繰り返し、語釈つくる」ことを徹底している国語辞典です。この辞書が作られていく過程そのものである「言葉について深く考え、意味を発見する体験」。それを、社会実装することで、ただ検索することだけでは至れない、「深く言葉について思慮する体験」を生活者に届けました。
考えるきっかけをつくるモチーフが「#考える辞書」です。この「#考える辞書」が、世の中のあらゆる「もの」「場所」「とき」「こと」の意味を問いていきます。
PLAN
辞書の日、発売日、歴史ある遊園地の閉園、いい夫婦の日・・・様々な機会で「#考える辞書」が言葉の意味を問いていきます。
最も反響があった機会は「恋愛」の意味を紹介したもの。現代において恋愛の対象が「異性」から「相手」へと変わっていることを新聞広告てご紹介しました。辞書は時代をうつす存在であり、啓蒙する存在ではありません。そのため、事実として写し・残すべき大切なことを辞書のサイズのままに、公共性があり日付が残るメディアである新聞広告を実施しました。
RESULT
話題の連鎖と、店頭設計を関連させ、昨年対比で200%以上の成長を遂げることに寄与しました。また、辞書そのものの魅力を取り上げるメディアレリレーションが連鎖したことにより、当コミュニケーションを発端とした新聞の連載や、ソーシャルメディアでの議論活性化、ポータルサイトのトップニュース掲載、出版社と出版社とのコラボレーション等、広義のパブリックリレーションズを実現しステークホルダーとの良好な関係作りにつながりました。
- 企画期間
- 2020.1〜2020.4
- 制作期間
- 2020.4〜2020.7
- 実施期間
- 2020.8〜2020.12
- AE
- 仙北屋 翔一 (博報堂)
- シニア・プロデューサー
- 前田 和典
- クリエイティブディレクター / プランナー
- 代田 淳平
- アートディレクター / デザイナー
- トミタタカシ
- コピーライター / プランナー
- 芦田 和歌子
- PRディレクター / プランナー
- 朝日 彩加
- PRプロモーター
- 吉川 夏澄